アドビ製品の作業領域

さて、このシリーズの最後は、Adobe CCです。
元々は、Flickrと各ストレージとの比較で書くつもりが、
長くなってどうしようもなく、各記事になりました。

Adobe CC(Creative Cloud)は、
Dropboxのような、汎用オンラインストレージではなく、
Adobe製品を使う上での共有用ソリューションとして、
CC会員に提供される、作業領域です。

その意味では、 Apple製品に対する、iCloudと立ち位置が似ています。
機能的には、より実作業に基づいたものになると思います。
末端のアプリが、PSやLRですからね。
Lr7-IMG_0852
iPad版、Adobe Creative Cloudアプリ

私の使い方としては、
LRベースでモバイル側にシェアしたり、
その逆・・モバイルベースの画像をLRで整理したりと、
作業クラウドとしては、一番重宝しています。

ぶっちゃけ、iCloudが無くても、
Adobe CCがあれば、困りません。


・プランと料金

まず、料金と容量の関係を見ると、

・非CC会員 2GB 無料
・CC フォトプラン 20GB 月額980円
・CC フォトプラン 1TB 月額1,980円
・CC コンプリートプラン 100GB 月額5,680円
・CC 単体プラン 100GB 月額2,480円

見ての通り、 容量からして、保存用ストレージではありません。
ここに載せているのは、ストレージ容量のみなので、
これでは、エラく高額に見えるかもしれませんが、
Adobe CCのサービスは、あくまで、Adobe製品の使用権利です。

どんなアプリを使えるかによって、プランが分かれますが、
写真系のみなら、フォトプランで十分。
(PhotoShop, LightRoom, Bridgeが使える)

イラレやプレミアが必要な場合は、
コンプリートか、単体プランの追加かだと思いますが、
価格的にも、仕事で必要な人向けですね。
ストレージは、まぁ、オマケみたいなものです。

フォトプランを見ても、
月額約1000円で20GBというのは、
保存ストレージとしては、少な過ぎます。

ヤバそうなのが、1000円プラスで1TBのプラン。
冷静に見れば、
RAWの保存には不足、 共有用途ではオーバースペックで、 
Flickr Proの、$499で無制限の方が安いと思いますが、

Adobe CCの便利さを味わうと、
20GBではどうしても不足に思えて、
つい、手を出したくなりそうです。 


・使えるPCが2台までの制限

このシステムの難点と感じるのは、
1ライセンスにつき、一度に2台のPCまでしか使えません。
この制限故に、購入版時代の方が良かった!
と感じる方も多いかもしれません。

本来、1台のマシンでの使用を前提にした価格設定なのでしょうが、

自宅のデスクトップで、PS編集。
カフェで、編集の続きを行う。
・・位の使い方は許す。といったところでしょうか。

別の1台から、サインアウトすれば良い話なのですが、
いちいち面倒ではありますね。
また、iTunes同様、モバイル端末は制限の対象外です。


で、実際の所は、
3台目以降でも、軽い使い方なら大丈夫ぽいです。
既に2台でサインイン済みの所へ、試してみたところ、

3台目でも、サインインは可能。
ベースとなる、Creative Cloudアプリも起動し、
アプリのインストールは、どれも可能でした。
更に、Bridgeは、普通に起動しました。

Lr7-Screen Shot 2019-02-20 at 6.32.23 AM
3台目のMacで、Bridge CCを起動。普通に動作します。 
Creative Cloud Librariesへのアクセスも可能で、
画面は、Bridgeで参照の画像を、CCL(右)へアップした所です。


が、PhotoShopを起動すると・・
Lr7-Screen Shot 2019-02-20 at 7.15.45 AM

このような画面が出て、
他の端末からのサインアウトを要求されました。

ファイル操作程度は大目に見るけど、
本格アプリの使用はNG。

という事でしょうか。
因みに、LightRoomでも同様、弾かれます。


さて、Adobeの作業ストレージと言っても、
私自身、LightRoom CC以外での使い方は、詳しくありません。
ここでは、代表的なもの3つと、
LightRoom CCを使った、
便利な、iOSとAndroidの連携について、 紹介します。


Creative Cloud Files

・シンプルな同期フォルダ

iCloud Driveと同じような、フォルダ同期機能です。

一番単純で、フォルダ内容を同期させるだけなので、
とてもシンプル、かつ何にでも使えます。

とりあえず、ここにファイル入れておけば、 別のMacで見れる。
・・それだけです。
モバイルにも勿論同期します。

尚、フォルダ別に同期・非同期を設定するなどの、
細かい機能はありません。


・メモリに常駐する、同期プログラム

Adobe CCアプリをインストールすると、
Creative Cloud Files」というフォルダが、
ホームフォルダの下に、作られます。

Lr7-Screen Shot 2019-02-23 at 11.32.44 AM

このフォルダです。
 
Lr7-Screen Shot 2019-02-23 at 11.12.59 AM
CCアプリの「Open Folder」で、同じ場所を開くこともできます。 


同期の有効・無効、フォルダの場所などは、
アプリの「環境設定」> Creative Cloud > Filesタグで、指定します。

Lr7-Screen Shot 2019-02-23 at 11.17.38 AM

以降は、 Adobe Core Syncなど、
常駐プログラムによって監視され、
フォルダにファイルが追加、削除されると、
瞬時に同期します。

Adobeのアプリを起動しておく必要もなく、
 iCloud感覚で使えます。

・・その事が問題といえば、問題かもしれません。

Lr7-Screen Shot 2019-02-20 at 11.07.56 AM

CCアプリを起動していない状態でも、
Adobe Desktop Serviceなど、3プログラムが常駐しています。

こいつらは、サインアウト状態でも消える事なく、
しかも結構、メモリを使っています。

その癖、フォルダが見れるのは、
Adobe CCにサインインしている間のみで、
サインアウトすると、フォルダごと消えます。

再度、サインインすれば、また復元されます。

以上の動きが気に入らない!と言う人も居ると思いますが、
新旧OS混在でも、関係なく使え、 
私的には、小道具として、iCloud Driveより余程使える機能です。

・その他

・モバイル端末では、Adobe CCアプリをインストールすれば、
通常の外部ストレージとして使えます。
Lr7-IMG_0849
iPadのFiles画面。
Creative Cloud Filesが、他のストレージ同様、見れるようになります。


・Adobe CCを、RAWの保存ストレージ的に使うのなら、
(まず無いと思いますが)
ここが唯一の置き場所になります。

・3台以上でのサインインでも、フォルダは見れます。
同期にも、一応は反応するようです。益々使えますね。


Creative Cloud Libraries

・「設定」の置き場所

PSなどの編集系アプリから、
画像はもちろん、 レイヤー、カラーなどの「設定」も共有できる領域です。
・・プリセットのようなものですね。

基本設定を共有化する事で、
複数間での作業において、内容の統一化を図れますね。
Adobe ID所有者をInviteする事で、
複数人数間でのアクセスが可能になります。  

と言われても、そのような環境になければ、
具体的にピンとは来ませんが、

個人レベルで考えても、

自宅とカフェの作業で、 レイヤーマスクやターゲット画像を共有。

というな事が可能ですから、
とても、使い勝手が良いと思います。
Lr7-Screen Shot 2019-02-23 at 7.03.08 PM-2
動作確認用に、
「カラーバランス」「トーンカーブ」のレイヤーマスクを、
CCLにアップしてみました。

右側「Libraries」画面の、2つ並んでいる四角が、
アップされた、レイヤ設定です。

Lr7-Screen Shot 2019-02-23 at 7.03.08 PM
雑で申し訳ないですが、こんな感じに調整しています。
顔の方が明るくなるよう「トーンカーブ」にマスクし、
「カラーバランス」はマスクしてません。 

Lr7-Screen Shot 2019-02-23 at 7.18.30 PM
PSを再起動し、
別の画像を読み込みます。

読み込み直後で、CCLにも未だ何も表示されていません。
レイヤーも背景だけです。 

Lr7-Screen Shot 2019-02-23 at 7.20.12 PM
CCLから、先ほどアップした、2つの設定を、
レイヤーに取り込みました。

変化を確認するためで、
この調整自体に、意味はありません。
とりあえず、
こんな風に使い回せる例という事で。 

・RAWには非対応

LightRoomのプリセットでこれが出来たら、 便利なんですけど、
LRは、CCLに対応していません。

更に言えば、CCLが、RAWに対応していません。 
Bridgeで「.ARW」をアップしようとしたら、Lr7-Screen Shot 2019-02-20 at 11.23.17 AM
サポート外!とのメッセージです。

「.PSD」には対応しており、サイズの問題ではなさそうです。
あくまで、PSやイラレなどの作業向け。
という、位置付けでしょうか。

LightRoom CC (LightRoom Mobile)


モバイルでのRAW編集を実現させた、
画期的なサービスですね。

私は、この機能が使いたくて、
CC会員になったようなものです。

・Mac To iOS

主な使い方は、
LightRoomベースで選択した写真を、
クラウド(Adobe CC)へ出力。
出力デバイスのiPhone上で、RAWの画質調整。
DLして、そのままSNS投稿というフローです。

現在でも、iPad mini4で同じ事をしています。

MacとiPhoneとでは、 色によって、見え方に差があり、
特にNature系は、Macで調整しても、
iPhoneで見ると、イメージが違ってしまったりします。

以前は、SnapSeedなど、
iPhone用JPEG編集アプリで、調整をしていましたが、

色合いは、さすがに限界があります。
LRのRAWレベルであれば、かなり幅も広がり、
手間もかかりません。

・モバイルでの仮想RAW現像

LRは、重いRAWファイルを、直接クラウドにアップせず、
スマートプレビューという、圧縮画像とパラメータのみをアップし、
モバイルでの編集結果も、スマートプレビューに反映させます。
・・仮想RAW編集です。

調整したパラメータは、元データにもフィードバック。
という手法で、
クラウドベースでのRAW編集と同期を実現させています。


仮想RAW編集に関して、
デスクトップ版での主要なパラメータは、
部分補正も含めて、ほぼ装備しており、
編集自体には、特に不都合はないですが、

調整の状態を記憶させておく、SnapShotsや、
仮想コピーなど、
本体で、足回りとなる機能がここにもあると、
ぐっと使い勝手が上がると思います。

・2つのデスクトップ版 LightRoom CC

ストレージの役割としては、
iCloud Photosに近いと思います。

写真ソースの置き場所が、

Photosなら、iCloud。
LightRoomなら、LighRroom CC。
という違いです。

制約も同じで、
1台のMacで、クラウドへの同期可能なライブラリは、
(LightRoomでは、カタログ) 一つだけです。

更に、そのカタログ内で、同期用のコレクションを、
一つだけ指定可能です。

Adobeでは、これがわかり難いと考えたのか、
あるいは、Mac用Photosに相当するものが欲しかったのか?

現在は、デスクトップ用に、

クラウド同期専用のLighRroomアプリがあり、
これと、従来のLightRoom Mobileを、
総称で、LightRoom CCと命名しています。

従来のデスクトップ版、LightRoom CCは、
LightRoom Classic CC という名前に変わりました。

こちらの方が余程わかり難いと思いますし、
デスクトップ用のLightRoom CCは、
無くても全く問題ありません。


LightRoom Classic CCに、 モバイル同期機能は残されているからです。
そして、こちらの方が色々と融通が利きます。
何たって、LighRroom 本体ですからね。

Lr7-Screen Shot 2019-02-20 at 10.12.45 AM
LightRoom CCデスクトップ版の画面。
モバイルアプリを意識したような、ビジュアルよりの画面になっています。

こう見ると、Photosと立ち位置がとても似ていますね。
LightRoom自体、AppleのApertureを真似して作られたものだそうです。 

・iOS to Mac

私は、カメラロール内画像を、
iCloud PhotosでMacに同期させていますが、
それとは別に、
モバイルショットのバックアップをしています。

モバイルであっても、画像ソースとして、
カメラの写真と同レベルで、ソース化したいからです。

その作業にも、LightRoom CCを利用しています。
撮影は、LightRoom CC搭載のカメラを使えば、
そのままクラウドに入りますし、

カメラロール画像からのULも簡単です。

また、LR本体では、
同期、非同期をファイル毎に切り分けでき、
ファイル操作の使い勝手も良いので、
Mac to iOSの、シェア用だけではなく、
その逆方向でも、LRをベースにしています。

バックアップさせるファイルは、
原則、モバイルとの同期を切って、
Macの保存用フォルダに移動させ、
LightRoom CCから消えるようにします。

作業はとてもスムーズで、
メニュー呼び出しなども一切必要ありません。

また、バックアップ時にリネームしておく事で、
暫くCC上に残しておきたい画像と、
新しく取り込んだ画像の判別もし易くなります。


ここまで紹介した、3つの領域は、
モバイル版のAdobe CCアプリにて、全て参照が可能です。
Lr7-IMG_0850
iPad版のCreative Cloud アプリ。

左から、Files = Creative Cloud Files
Libraries = Creative Cloud Libraries
Lr Photos = LightRoom CC

となり、内部の参照可能です。

尚、iOSアプリのFilesから見れるのは、CCFのみです。

LightRoom CCを軸にした、iOS アンドロイド連携

・カメラロールを統合したい

iOS端末とアンドロイドの併用で不便だと思うのは、
画像ライブラリがiCloud連携できないことですね。

Google PhotosやAmazonなどで、
どの媒体からもオートロードすれば済む事ですが、

オンラインではなく、カメラロールで、
他の端末で撮った画像も、同列に見たいわけです。

同時に、スマート?な連携で、
Macにも落とし込める事になります。

そのためには、Android側に、
ブリッジとなる画像ストレージが、一つは必要です。
そこでも、LightRoom CCが、とても便利に使えます。

・アンドロイドでの作業

LightRoom CCには、カメラ機能も付いていますが、
Android版では、このカメラ機能のウィジェットがあります。
これが決め手!と言っても過言ではありません。

アプリ起動 > カメラ機能選択 ではなく、
ホームから直接、LRのカメラを起動できます。


Lr7-Screenshot_20190220-100046
ホーム右下端のカメラアイコンが、
LRCCのカメラウィジェットです。

Lr7-Screenshot_20190220-100130
今、目の前にMacBook Proがあるので、
これをサンプルに撮影してみます。

Lr7-Screenshot_20190220-100224
LRCCは、自分のカメラで撮った画像を、
カメラロールへの保存と同時に、
Adobe CCへもアップロードします。 
これは、LRCCのライブラリ画面です。

つまり、LRのウィジェットで撮影すれば、
撮影と同時に、
Androidカメラロールへの保存と、

Adobe CCへのアップロードが、完了します。

Androidでの作業はこれだけ、 つまり撮るだけです。

・iOSでの作業

Lr7-IMG_0834
iPadのLighRoom CCです。
上で撮った画像が反映されてるので、
それらを、選択します。 

Lr7-IMG_0835

シェアメニューより、「Save to Camera Roll

これで、AndroidとiOSの各画像は、
カメラロールに統合されます。


Lr7-Screen Shot 2019-02-24 at 7.29.15 AM
つまり、MacのPhotosにも同期されます。
スマートアルバムの、Honor8 にも、反映されています。

Lr7-Screen Shot 2019-02-20 at 10.11.35 AM

同時に、LightRoomにも同期されています。
バックアップ対象の画像は、
ここで、Macのフォルダへ移動させ、同期を切ります。
若干、ゴミも残っていますが、
ここに残すのは、原則、Mac To iOS用のシェア画像のみです。

とても簡単なステップで、2つのアプリに同期が出来るので、
バックアップ用、作業用と分けてはいますが、
そのために、特に面倒な事もありません。

・撮影外画像

・・スクリーンショットなどを、 AndroidからMacに持ってくるには、
Google Photosが早いですね。
iPadでの「Save to …」処理に、Google Photosを使うだけです。

Adobe CCには、入りませんが、
その手の画像は、バックアップ対象ではないので、問題ありません。

シリーズまとめ


以上、Androidとの連携などはとても簡単ですが、
現在は再び、iPhoneへの復帰を考えています。

スマホには、あの4インチサイズが最高なのと、
Google日本語入力に、どうしても馴染めないでいるためです。

実際、SNSでは、未だにiPhone5を使ったりしますが、
さすがに、各アプリの起動が遅くなってきました。

Android自体は、iOSより「使えるOS」だと思いますけど。


また、書きながら検討してきた、
自分自身の有料ストレージの選択については、
Google One100GBを、とりあえず契約しました。

価格も月額250円と安いですが、
BackUp and Syncの、使い勝手の良さが決め手です。

動画には、まだFlickr Proを考えているので、
汎用ストレージは、とりあえず最低限を設定。

ただ、ここへ現在の全動画を保存する事も、
容量的には可能です。

その上で、必要になれば、
200GBへアップグレードしても良いですね。