前回は私なりにこのレンズのいいと思った所を幾つか取り上げてみました。

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ボケのために敢えて開放を選ぶ必要性を感じない程、絞っても素敵なボケ味。被写界深度の極端に浅い中望遠マクロでは、絞った時にどれだけ綺麗にボケるか?も重要ですね。


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実際、開放を使うのは深度が浅くて手に負えないマクロよりも、通常域の方がずっと多かったです。透明感もなかなかです。


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一般に中望遠マクロ標準マクロより高級品であって、ボケではもちろん中望遠が勝りますが、このレンズに関して私の場合、画角ではなく描写傾向においてあまり使いやすいレンズではありませんでした。デリケートな作画要求をされるレンズだと思います。

階調自体はたぶん50の方が良いというか、出しやすいと思います。こちらは更にパステル調を目指したような所があって、花をファンタジックに表現したりするには最適と思いますが、その描写傾向がボケにヘンな色合いとなって表れたりとか、通常距離でネコを撮ったときなど、妙に平坦だったりとか感じます。要は、被写体を普通にリアルに撮ろうとすると何かズレるのです。


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私がパステルと言いたいのがお分かりと思います。普通のレンズを使うように、ズボラに後ろをボカすという作画で行くと、大抵こんなボケが現れます。
ボケのエッジにくすんだ滲みが出るのは色収差の影響なんでしょうか?結像部では軸上色収差などを見た記憶はほぼありませんが、何れにしても気になるこの滲み、特に明るい背景ではよく登場しますし、50マクロでも出ますね。


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更に距離が空くと完全にパステル、もっと言えば絵の具です。ボケそのものは悪くないですが、色調見てると、私にはクセがあると感じます。


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撮影距離が近く、シンプルな背景だと、持ち味が逆に生きてくるように思います。図鑑写真や複写を撮るレンズではないですね。私は当初その辺を理解してないで使っていたので、何だこりゃ?と思うケースが多々ありました。


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ネコ写については、きちんと撮れば、それなりに中望遠らしい柔らかな質感を醸し出せますが、それ程階調が豊かでもないので、普通にバシャバシャ撮ってる範囲では、平坦なイメージ量産という印象です。


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コントラストが高い訳でもなく、地味ながらいい質感ではないでしょうか?F2.8の開放ならこれ位は写るのが普通かもしれませんが、硬さが全くないのは素敵ですね。


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上記3点で白の雰囲気など、大体どんな傾向かお判りではないかと思います。良く言えば、上品でやさしいですが、地味と言えば地味ですね。


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通常は大抵こんな感じで、平坦に写ってしまう事が多いようです。比較などはしてませんが、レンズによってはこんな状況でも充分立体感が出せるものもあります。


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ズームでこの写りなら嬉しいけれど、単焦点ならもう少し何か欲しい・・それなりには写ってるけどやっぱりどこか薄いんですねぇ。RAWを弄っていても、このレンズの場合調整出来る幅がかなり狭く感じます。


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やさしい、軟らかい、普通、おとなし過ぎ…色んな言い方があるでしょうが、パステルだと思えば筋は通りますかね。。
ただ、猫を撮るための立体感としては、今までの中望遠とギャップが大きく、これをZAで撮っておけばなぁと思う事良くありました。

100ミリマクロに関してはフィルム時代にライカのAMEや、ヤシコンのMP100を暫くはメインレンズにしてた位、マクロではなく普通の撮影、ネコ撮りの常用レンズとして使っていました。
簡単に言うと、どう撮ろうが満足出来るような万能レンズ群です。そういうレンズとは違いますが、否定してるのではなく、性格を理解してそれを活かす様に使うタイプのレンズだと思います。

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もちろんマクロレンズですから、マクロが良く写ることが第一義です。その意味では十分素敵なレンズだと思いますよ。だから尚の事、あの値段で万能に使える50マクロが凄いと思ってしまうのですが、上手く性格が分かれていますよね。マクロ目的であれば私は、50より断然100の方が面白いと思います。