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GR3 f4 ISO64

先日、高幡不動で久々に多くのカメラピープルを見ました。
別にどこのカメラかなんて事は関心もなく、観察はしていませんが、
基本的に一眼レフをぶら下げています。
「風景を綺麗に外るなら一眼レフ」・・この図式は強いのですね。

今「一眼レフ」というと、
ユーザの半分以上は、年配の方のように思います。

若年層では、余程こだわり、理由のある人以外、
一眼レフなど持たなくなる。
こんな黒くデカいもの自体がスマートでない。
その傾向は益々顕著になっていくと思います。

では、目的が明確な場合以外、一眼レフなど買っても無意味か?
と言えば、決してそうではないと思います。
写真を撮る事が好きでさえあれば、コンデジより遥かに多くのものを齎せてくれる。
その最大の恩恵は、自由度だと思います。
カメラの作ったルールに従って使うのではなく、
ユーザの使いたいやり方で、色々な使い方が出来る。
実際は、技術の進歩やシェア争い、コストダウンに伴い、
ここにもメーカーのお仕着せ感が反映され、何とも頭の痛い側面も見られます。
最も自由なシステムは、フルマニュアルのカメラですが・・
そういう話しは置いといて、


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α900 SAL85F14Z f1.4 ISO200

特別な目的がない場合、私が思う、
一眼システムを堪能するための「最初に揃えるべきレンズ」は4本・・

大口径、マクロ、標準ズーム、望遠ズーム

です。
根拠というか、元ネタは、ヤシコン時代に見た、
「アリア」のカタログです。

当時の私は、売り買いを繰り返しながら、
その時々で関心のあったレンズを追加し、
どの時期に何本レンズがあったかなど覚えていません。
広角28から望遠300ミリまでは、抑えていたと思いますが、
近い画角のレンズも多く、結局、撮影に出ようとするとき、
「どのレンズで行くか、迷う、悩む、考える・・」
これは、非常に効率の悪いシステムだと思います。

アリアのカタログで、ヤシコンレンズとして紹介されていたのは、
アリアのキットレンズ(標準ズーム)の他に、
Planar 85mmF1.4
MakroPlanar 60mmF2.8C
VarioSonnar 80-200mm F4

以上の4本でした。
たった4本のこの構成を見て、

なんて、合理的で綺麗な組み合わせだ・・

と、エラく感心し、未だに強い印象として残っています。

これで、ツァイスの世界を満喫できるかどうかは別問題として、
「一眼レフの醍醐味を堪能」という意味では、一通りこなせる訳です。
即ち、単焦点のキレ、ボケ、近接、広角〜望遠までの画角の豊富さ。
後はカメラさえまともであれば、出来ない撮影はないと言ってもいいでしょう。

また最初にこれを作っておけば、
無駄にレンズが増える事を防げます(笑)。
これでほとんどの用途は足りるからです。
しかも、全て10万円以下のレンズという所が味噌ですね。
そしてこの4本とボディ1台なら、
ドンケのF3クラスのバッグに全て収まります。

そこから先、
「なんで広角がディスタゴンじゃないの?」とか、
「ゾナーのキレは単焦点でこそ・・」とか、
「プラナー本来の安定した写りはF2系・・」とかいうのは、オタクの話しです。

更には、既に目的に合わせて揃えたシステムがあったとしても、
これをひとつ作っておくと、大変重宝すると思います。

「L単の引力と、15万になった5D2に微笑まれてつい・・」
なんて、1品豪華主義的導入をしてしまった場合でも、
その後の撮影に困惑する事がありません。

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α900 SIGMA 70mmF2.8 DG MACRO f2.8 ISO200

まぁマルチマウントの心得とでも言うんでしょうかね。
という事で、最初にこれを組めるか、組んだらいくらかかるか?
を試算して、購入を考えれば、失敗しないかなと思います。
まぁ、この4本すら揃わないシステムは、今時一部のミラーレスくらいと思いますが、
湯水のようにレンズ投資出来る人は少ないので、
「アリア体制」の肝、1本10万円以下という点を条件にすると、
意外に難しいかもしれません。

また、ズームは極力キットレンズ以外にすべきとも思います。
とくに標準ズームは、社外のニッパチズームがいいと思います。
F2.8通しであれば、室内でも使えますし、性能も良いです。
そういうものなら、ある意味単焦点の代わりにもなり得ると感じますが、
キットレンズではそうはいきません。

「キットレンズはカメラの顔であり、どのメーカーも力作揃いだ。
故に驚くべきCPの高さで作られている。」


という声もあるようですが、
それは、50ミリがキットレンズだった、20年以上前までの話しで、

「明るい野外で、2段も絞れば充分以上の描写をする」
とかいうのは、使えないのと同じです。
そういう使い方なら、最初から深度の深いコンデジの方が適格でしょう。
実際、キヤノンとソニーのキットを使った印象は、それに近いものでした。

よく、ズームの後に単焦点を買って、
「キレも写りも全く違う!!」という感動レビューを見ますが、
まともなズームなら、そんな極端に悪くはないと思いますよ。
キットレンズの薄くてボヤけた世界と比べるからそう感じるのではないでしょうか?

そもそも標準ズームほど設計が困難なレンズはないと思います。
ひとつのユニット内に、広角、標準、中望遠と、
3つの性格をブチ込まなければならない訳です。
本来、標準ズームとは、38mm〜58mmくらいが正しい定義ですよね。
そんなんだったら、50ミリ1本で充分!て話しになるので、
広角はじまりは必須・・というより、「標準的に使われる事の多い画角を集めたズーム」
が、標準ズームか。。

逆に望遠や広角に特化したレンズは、
安くてもそんなに悪くないんじゃないかと思います。
標準ズーム→広角ズームでもいいと思うんですよ。
その方が一眼の醍醐味である、超広角域が使えますし、
上よりは下に広がった方が、実際は面白いです。
ただ、広角ズームだと大抵35ミリ止まりなのが、汎用的か?
と思うので最初の4本には入れてないだけです。
更に、ニッパチの広角ズームは高価ですし、
最近は、上が24ミリ位の超広角化が主流のようです。
ちょっと敷居が高いですね。

とは言え、キットレンズでも好きになれる描写であれば、全然構わないと思いますけどね。
性能、数値よりもそっちが大事ですから。

後、マクロは等倍を条件とします。この2点がアリアからは逸脱する所ですね。

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α900 SIGMA 24-70mm EX DG 24mm f3.5 ISO1600

・システム考察例
最近気になるD600の、ニコンFXで考えてみます。
価格は、価格コムの最安値で見ています。

・大口径 AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G 45,000円〜
・マクロ AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED 55,000円〜
・標準ズーム タムロン SP AF 28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO
( A09 II) 30,000円〜
・望遠ズーム AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED 50,000〜
または、タムロン SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD (A005)  38,000円〜


よくわからないので単純に価格で判断しますが・・
ニコンの弱点は望遠ズームでしょうか?
かなりの本数揃えながら、竹ズーム(70-200F4クラス)が無いんですよね。
廉価な300ミリズームか、高価なニッパチのどちらかです。
「アリア体制」の絶妙な所は、望遠のバリオゾナー80-200F4が、
85ミリだけでは不足な望遠域のポートレート的性格もフォローしている所です。
ここが、F5.6クラスの300ミリになると、ちょっと風景に偏りがちですね。

高感度、手ブレ補正全盛の今、F4通しの望遠ズームが、
どうしてキヤノン位にしか存在しないのか不思議でなりません。
このスペックはシグタムにもなぜか存在しませんね。
トキナーが発表だけしたのは覚えていますが。
せっかくのフルサイズだし、大きさが許容出来れば、タムロンA001もアリですね。

大口径はF1.4が理想ですが、そうなると標準レンズのみになってしまい、
だったら85ミリのほうが、一眼レンズという意味では楽しめると思いますし、
この85mmは新作で評判もいいようです。

マクロは、ナノクリ採用でニコンの顔とも言うべき人気のレンズですね。

標準ズームは、28ミリ〜になりますが、純正のF値変動より価格的にも買いだと思います。

また、単焦点に関しても、もっと悩まず解決する方法があります。
・大口径 シグマ 85mm F1.4 EX DG HSM  70,000円〜
・マクロ タムロン SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 (272EN II) 40,000円〜


これはどのメーカーにも使える案なので挙げておきました。
マクロは、せっかくなのでニコン純正でもいいと思いますが、
85ミリについては、シグマの性能はかなりのもののようで、
積極的に選ぶ価値もあると思います。

こういう保険システムは、APSCで充分と考えて、
ボディをD7000とかにすると、

・大口径 AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G 40,000円〜 
または、シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM  38,000円〜
・マクロ AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED 55,000円〜
または、タムロン SP AF60mm F/2 Di II LD [IF] MACRO 1:1 ( G005NII) 40,000円〜
・標準ズーム シグマ 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM  53,000〜
・望遠ズーム AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR 21,000〜


望遠はキットレンズだと思いますが、ニコン自体がこれ以外に、
DXフォーマットの望遠ズームを提供していないようです。
(55-200というのが更に廉価で存在しますが、あまりに不安)
やっぱり望遠ズームが弱いですね。
・・と言うより、APSC用の望遠ズーム自体、各社この程度で抑えてる感じです。
望遠は、フルサイズとの共用がしやすいからでしょうか。

標準ズームのシグマはかなりの実力のようで、ここはAPSCの醍醐味ではないでしょうか。
マクロは、タムロンだとF2になるのが魅力ですね。

という事で、レンズをシグタムにすればとりあえずクリアはする。

ただ、あまりにもシグタムになると、ちょっと味気無いので、
単焦点ひとつくらいは、純正が欲しいですね。
安ければいいというのではなく、あくまで一眼を堪能するためのシステムです。
そのメーカーの味が皆無というのもどうかと・・。

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α900 SAL70300G 300mm f5.6 ISO1600

繰り返しますが、特別目的がない場合の例です。
私はソニーを買う時、ゾナーを使う事意外考えてなかったので、
(所謂、猫用一品豪華主義システム)
後はそのサブ・・みたいな位置づけで来てますが、
結果的に似たような状況にはなっていますね。
そしてそこからレンズは増えていませんし、出かける時に迷う事もありません。

EOSを処分せずに保険システム化すれば良かったなぁと思う面もありますが、
α9002台体制のために、選択余地はありませんでした。。

最近、マルチマウントを考えてるのでこんな事書いてますが、
マウント変えて1からというのが、如何に大変か・・
素直にTLM機買っちゃおうかな・・なんて事も考え始めてます(笑)