10月に入ってもトンボは来ていた。
性懲りもなくローライナー3を準備してトンボに近寄る。
するとトンボの体は赤ではなく、やまぶき色になっている事に気づいた。
「なるほど・・トンボの体も紅葉のように変色するのか。。風情だな」
勝手に思いこんでいた私に「アホか!」とトンボからのメッセージが来たのは、
やまぶきトンボを撮って小一時間もしてからだろうか。
なんとつがいになった2匹のトンボが空からやってきたのである。
”トンボは1匹ではなかった!”
見てみると、メスが例の赤トンボ、オスが今朝のやまぶきトンボだ。
私は最初、彼等の”体位”が理解できなかったのだが、トンボの生殖器はオスメス別の位置に付いているようだ。
1匹でもピントの位置に困るのに、セックスのシーンとなると更に混乱する。
苦戦しているうちに強い風が吹いてきて、2匹は手すりから落とされそうになった。
しかしその体制で、オスもメスもふんばったままだ。持ち直してくれることを望んだのだが、
「残りフィルムは後1カット・・ここで撮れという意味に違いない」と、
その12枚目をレリーズした瞬間、2匹はその体位のまま、空へ舞っていったのである。

あっという間に建物の上へと姿を消した。。感無量の瞬間だった。
レリーズ音で驚いたのか?ならば、それ以前に何枚も撮っている。
その気になれば空中でだって出来る彼等が、風に耐えながら粘り続けてくれたのは何故だ?
一体彼等は・・天使としか思えない。
ここ数日、秋の風情を感じさせ、最後にはセックスまで披露してくれた虫2匹に、
私は本気で感謝していました。
tombo3