planar80645を買ってから2年以上が経ちますが、未だレンズはこの1本だけです。
別に買う気がないのではなく、ゆっくり揃えていけばいいと思ってるうちにシステムごと生産中止になってしまいました。
あれだけのスターレンズを揃えておきながら、1世代で終わるとは何とも淋しいものがありますね。
旧時代のレンズが好きだとしても、やはり現代的な写りをする安定したレンズも置いておきたいものです。
ヤシコンで言えば、私はあまり好きではない、Planar45のような存在でしょうか。これまで、その役目を果たしていたのはSummilux-r 50のE60タイプでした。泣く泣く放出したのですが、絶対必要と思ってれば放出などしません。売ってもいいと思ったのはPlanar80があるからです。使用頻度はともかく(笑)、今風のコントラスト、透明感、開放での独特な雰囲気、安定した性能などは両者に共通するものと思います。色味などを除けば、私にはこの両者は結構似ているキャラだとこっそり思っています。開放から1段絞ると別物のように安定するという点もそっくりです。
ズミルクスの場合は濁りの無さ=力感の無さに見えることもあったのですが、その点は流石ツァイス、何処か演出があります(笑)。常にコクのようなものは失われないですね。

また、最近使い始めたローライのプラナーと比べてどうかと言うと、緻密なトーンと立体感溢れる豊かな描写は共通のもので、猫の体の質感等とても満足できるものです。発色等は当然こちらの方鮮明で、被写体をクッキリと描きますすが、そうして描かれるものは、実物より綺麗に写り過ぎ、カッコ良過ぎで嘘臭いとも言えます。ローライでは何事もありのままと言いますか、被写体の曖昧な存在感とでもいうものが感じられ、結果として生々しい印象を受けます。もちろん主観です。
猫だけでなく、樹木や葉っぱなどを写しても同様のことが言えます。
ツァイスは空気感までも写すなどとよく聞きますが、ローライを見て初めてそれを実感したというのが正直な感想です。
発色は、ローライは全くのニュートラルに感じますが、こちらは若干青に寄せてるようにも見えます。

ここでローライを褒めても仕方ありません(笑)
WLFを使用の場合は、ローライのハイドスマートと異なり、プラナーの画面を見れる訳ですから比較にならない程綺麗です。更には10万を超えるプリズムファインダーよりも、直接的なWLFのほうが遥かに綺麗です。というよりWLFの後にプリズムを覗くと、こんなにピントが判りづらいのかと思います。
まるでファインダーの中に実物が入ってるかのような鮮明さで、それだけで645の価値があるかもしれません。
6×6判と違って、縦位置が取れなくなるという欠点がありますが、それでもいいやと思わせる程綺麗です。
日中野外での反射など気にする必要もなく、ローライと比べたら天国のようなスクリーンの出来は素晴らしいのですが、
WLFのデザインだけはなんとかならないものか。。装着時、本来の645のデザインは台無しになります(笑)

私は当初、このレンズのスペックを勘違いしていました。80ミリで70センチまで寄れるということは、「焦点距離×10」以内まで寄れるのだから、35判の50ミリで45センチまで寄れるのと同じだと思っていたのです。当然これは間違いです。
80ミリと言っても画角はあくまで50ミリ相当ですから、35判に置き換えれば、70センチまで寄れる50ミリということになります。要は期待していた程寄れないのです(笑)。等倍マクロのAMPでも、あくまでフィルム上に被写体が1:1で写る訳ですから、mp100と同じようには写らないです。フィルムが大きい分、35判の1:1よりは被写体が小さく感じると思います。当たり前の理屈ですが、案外使ってみないとピンと来ないのではないでしょうか。

作例